人間

人間

涙が溢れてとまりません。
さっきね、大切な本に会ったの
私がここまで生きられた その本に。




あれは、9歳のとき
私は、なぜだか自分が10歳までしか生きられないと思っていました。

それで、なぜ私は生まれてきてなぜ死んでゆくか?
わからなかったのです。

6歳までの間に親戚や周りの方のお葬式によく行きました。

骨を食べました。
火葬場の香りは今でも脳に焼き付いています。

ひとりで眠れなかった。いまでも苦手です。

なぜ、生まれて死ぬか?
人はどこからやってきて、どこへ還るか?

宗教的観念で理解はできます。
また生まれ変わる、天国や地獄へいく、魂は生きている・・・
だけど10歳で死ぬと思っていた私には納得できなかった。

なぜ死ぬゆくなら生まれなければならなかった?
だれも、大人はそんなことには疑問を抱かず生きることが当たり前のように生きている。

なぜ?

って思わないの?どうして納得しないで生きていられるの?

私は生まれつき知能指数の割に共感性能力が著しく低いらしく、
なんとなくみんなと一緒に思って というのができません。

そんな時に この本に出会いました。


宇宙の誕生から、生命の始まり、生物の進化、
誕生の不思議、体の構造、周りと自分、生きる苦悩、

そして人間である希望。



たくさんのことが書かれてありました。

きっと、著者の先生だってわからないのです。

だけど、一点の曇りなく描かれていました。


当時の私は、大きくて まっしろな紙にひたすら先生の本を写して考えて、また写して・・・。

夢中でした。何メートルもある模造紙に人間の進化を描き切った時はとても晴れやかで、もう生きていました。


ここが、原点だった。

今日、この本に再び出会うことがなかったなら
私はまた、生きていなかった。


感謝します。本当に。



2018年5月、加古 里子さんは亡くなったそうです。
お会いしてみたかった。
ことば、聞いてみたかった。

私にとって、唯一の先生でした。

ありがとうございました。
また、生きてみます。
私も、いつか誰かを救えたらいいな。






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